▲血圧降下剤は血栓を惹き起こす
高血圧に対する医者の対応は、減塩の指示だけではない。血圧の数値が標準を上回れば、患者には血圧降下剤が与えられる。こちらのぽうは、果たして
適切な治療といえるのだろうか。答えはノーである。薬といえば、心配なのは副作用である。仮にその薬に症状を和らげる効果があったとしても、、
それによって別の病気が惹き起こされたのでは意味がない。薬の危険性を甘く見ているから、薬害エイズのような悲劇が起きてしまうのである。
一口に血圧降下剤といっても、いくつか種類がある。その中で、第1選択薬として日本で多く使用されているのは利尿剤である。血圧が高くなるのは、
血管を通る血液の量が多過ぎる為である。手っ取り早く血圧を下げるには、体内の水分を外に出して血液量を減らせばいい。だから利尿剤によって尿の
排泄量を増やしてやろうという姑息な手段が用いられる。確かに、尿を沢山出せば血液中の水分は減る。但し当然のことながら、血液は水分だけで
成り立っているわけではない。その中には、様々な物質が含まれている。しかし、利尿剤によって減るのは水分だけである。煮詰まった味噌汁みたいな
もので全体重は減っているが、血液の質は変ってしまう。濃度が高くなっている分、利尿剤を服用する前よりも血液の粘り気が増してゆくのである。
血液は、粘度が高いほど血栓を起こしやすい。利尿剤の副作用として脳血栓を起こすケースが多いのは、その為である。脳血栓で倒れるぐらいなら、
誰だって血圧が高い方がまだマシだと思うに違いない。「木を見て森を見ず」という言葉があるが、安易に利尿剤を与える医者は、高血圧だけを見て
患者の体全体を見ていないのである。
それ以外の血圧降下剤も、副作用があるという点では似たようなものである。例えば、交感神経の働きを邪魔するブロッカーが血圧降下剤として
使われることがある。血管を縮めるのは平滑筋という筋肉の役割であり、その平滑筋の働きを支配しているのが交感神経である。だから、その働きを
ブロックすれば血管の締付けが緩み、血圧が下がるという仕組みとなる。しかし、交感神経の働きを必要としているのは血管だけではない。骨格筋も
交感神経に支配されているし、何よりも無視できないのは脳に影響を与えることである。事実、交感神経の働きが鈍ることによって、
また、最近使われるようになった新しい血圧降下剤として、カルシウム拮抗剤が挙げられる。血管を取り巻いている平滑筋を含めて、全ゆる筋肉には
カルシウムイオンが入ると収縮するというメカニズムがある。従って、カルシウムと拮抗する薬を服用すれば、平滑筋の収縮力が弱まって血圧が下がる。
このカルシウム拮抗剤は、他の血圧降下剤に比べれば副作用が少ないと言われている。だが、この薬にしても血圧に関係のある筋肉だけを選んで
作用するわけではない。服用すれば、血圧と無関係な他の筋肉も同時に収縮力が弱まることになる。全身に与える悪影響は、決して小さくないだろう。
事実、この薬を常用して無気力になった人がいる。そもそも、問題の本質はカルシウムの摂取量なのである。先述の如く、血圧をコントロールする為には
カルシウムとマグネシウムの比率を適正に保つことが大切である。食品から摂取する栄養をきちんと管理していれば、薬に頼ることは全くない。
ところが多く医者が、副作用について少しも説明することなく、ひたすら血圧降下剤を服用することを患者に要求する。一生、薬を飲み続けなければ
いけないと思い込んでいる高血圧患者も多い。自分で栄養をコントロールして、血圧を下げる人は数多くおり、医者の言うことを鵜呑みにしていると、
いつまでも副作用の危険から逃れられないのである。