ウソだらけの医学常識

  ▲アレルギーや免疫の正しい知識がない医者が大半

  かってアレルギー学会の席上で、小児科の医者と皮膚科の医者が大論争となった。対立したテーマは、子供の卵アレルギーを巡る議論だった。皮膚科の立場としては、

  とにかく皮膚の炎症を治すことが最大のテーマであり、その為、子供には卵を食べさせてはいけないと主張した。しかし、小児科の立場ではこれを受け入れることは

  できない。子供の時の栄養状態が悪いと,成長の遅れが後ち後ちまで響くからである。特に、卵は重要な栄養源だから、食べさせないわけにはいかない。そこで、

  両者は真っ向から対立した。専門家が集まるアレルギー学会でさえこの調子だから、一般の医者が持っているアレルギーの知識は、頼りないものだと言わざるを得ない。

  子供がアトピーだから「魚を食べさせてはいけない」と言われたが、これは全く断片的な知識に基ずく指示である。確かに、魚に含まれるEPAは高度不飽和脂肪酸だから、

  過酸化脂質になりやすく、その意味では皮膚炎と関係がないわけではないが、一方、EPAから作られるプロスタグランデインが、皮膚の炎症に効果的だとも言われる。

  少なくとも、今の段階では「魚は駄目」と決めつけることはできない。アレルギーとは免疫システムの異状によって引き起こされるものである。通常、免疫はウイルスや

  細菌に対する防衛力として働いており、いつも食べたり触れたりするようなものに対しては働かないようになっている。これを「免疫寛容」と言う。つまり、人体に害を

  もたらさないものは防衛する必要がないから、免疫システムによって攻撃されないよう「許されて」いるのである。この免疫寛容は、自分自身の体の成分に対しても働く、

  自分自身が免疫の対象となって攻撃されたら、健康が損なわれてしまうから。免疫システムの中心であるリンパ球には、「自己と他者を見分ける」能力が備わっており、

  自分の体を異物として攻撃しないようになっている。例えば花粉は、季節が来れば空中に撒き散らされるので、人間はそれに触れずにいられない。人体に害を及ぼす

  ものではないから、普通、免疫寛容の対象になる。ところが花粉症にかかった人の免疫システムは、それを許さない。花粉を害のある異物と認識して、防御力を発揮し

  てしまうのである。このように免疫が過剰に働いてしまう状態を、「閾値(いきち)が低い状態」と言う。言い換えれば、ある物質に対して免疫が働くハードルが低いのだ。

  ▲花粉症撃退法

  花粉症の人は、花粉に対する閾値が低いので、花粉が鼻や喉の粘膜に付着した時に、普通の人は平気なのに、花粉症の人は鼻がぐずぐずしたり、目がしょぼしょぼ

  したりするのである。従って対策は、その閾値を上げてやることであるが、それに必要なのは、蛋白質とビタミンAである。免疫と言う生体防御の仕組みには、病原体を

  直接、攻撃して殺す方法と、抗体と言う蛋白質を病原体に結合させ、(とりこ)にした後、処理する方法がある。抗体にはA、D、M、G、Eという5種類のタイプがあり、

  それぞれに役割分担がある。この5種類の抗体を作る働きは、人によって異なっている。花粉症の様なアレルギー疾患は、

  Eタイプの抗体を作りやすい人に発症することが分かっている。抗体Eははかっては寄生虫をターゲットにする役割を

  担っていたが、寄生虫が減った為に、その抗体には「敵」がいなくなり、ハウスダストや花粉などを「敵」とみなして攻撃

  するようになった。体内には、炎症を起こす物質を蓄えたマスト細胞と言うものがある。異物が入り込んだことを察知

  すると、抗体はそのマスト細胞にくっついて、刺激を与え、起炎物質を放出させる。主にその働きをするのがヒスタミン

  という物質で、「アレルギーには抗ヒスタミン剤」と言うのが常識になっている。但し、ヒスタミンは脳内では必要な

  情報伝達物質でもあるから、全部を担うは問題で、薬に頼るよりは、栄養によって余計な働きを自然に抑えたほうがいい。

  そこで働いてくれるのが、ビタミンCである。ビタミンCは、マスト細胞の中でヒスタミンの生成を抑え、細胞の外に出て

  きたヒスタミンの働きも失わせる。免疫のハードルを上げる為のビタミンAとヒスタミンを抑えるビタミンC、更に、炎症を

  起こした部分に発生する活性酸素対策としてのスカベンジャー。この3本柱が、花粉症を始めとするアレルギー対策の

  基本対策となる。また、近年の研究によれば、卵の黄身に多く含まれる、ビタミンH(ピオチン)にも抗アレルギー作用が

  あると言われる。アレルギーの人は卵が食べれないケースが多いから痛し痒しだが、他にオートミール、大豆、落花生、

  エンドウ豆、鶏肉、豚肉、バナナなどにも含まれている。最近では、アレルギーへの対抗手段として、イチョウの緑葉

  エキスも注目されている。黄色くなる寸前のイチョウの葉にはフラボノイドという成分が含まれ、血管や血液の働きを正常に保つ効果があり、

  血液循環障害に有効だとされる。加えて、イチョウの葉にはテルペノイドという成分が含まれ、これが抗アレルギー作用を持っている。

  更にこれらの成分は、活性酸素を除去する働きもある。フランスやドイツでは、医者が患者に出す栗の中で、このイチョウの緑葉エキスのものが1番多い。

  日本では薬としての認可は下りていないが、機能性食品として売られているので、アレルギーで悩んでいる人には試してみてはどうでしょう。