ウソだらけの医学常識

  ▲動物性蛋白の不足が不眠症を招く

  アレルギーと同様、睡眠に関する悩みも現代人特有のものだと言えよう。基本的な事は、不眠対策に必要なものはやはり蛋白質である。眠気を催すのは脳の中に

  できるセロトニンと言う物質の働きによるもので、これを作るには材料として蛋白質に含まれるアミノ酸が欠かせないからである。また、脳内でセロトニンを作る材料が

  、トリプトファンと言うアミノ酸である。これを脳に入りやすくする為には。甘い物を食べるのも有効である。甘い物を食べるとインシュリンが分泌され、トリプトファン以外の

  アミノ酸を筋肉や脂肪組織に取り込ませる。そこで取り残されたトリプトファンが優先的に脳に入っていくのである。このトリプトファンは牛乳にも含まれているので、眠れ

  ない人は、就寝の1時間くらい前に牛乳を温めて飲むといいだろう。更に睡眠にはプロスタグランディンも関係している。睡眠を司るプロスタグランディンの原料となる

  アラキドン酸は、動物性蛋白質が持つ不飽和脂肪酸である。眠れなくて悩んでいる人は、睡眠薬を飲む前に、自分の食生活を見直してみるべきだろう。どうしても眠れ

  ないという人の中で、病的な不眠症と言えるケースは少なく、たいていは本人が「全く眠っていない」と思い込んでいるだけで、実際には必要な睡眠を摂っているのだ。

  人間は、そう何日も眠らずにはいられない。本当に眠れない状態になったら精神に異常をきたしてしまうだろう。とりあえず日常生活を普通に送っているのなら、睡眠は

  足りていると思った方がいい。眠れないこと自体よりも、「眠れなくて困る」と悩んでストレスを感じる方が問題なのである。自分が十分に眠っていないように感じるのは、

  「人間には1日に7〜8時間の睡眠が必要だ」という固定観念があるからだが、人間には個体差があるから、必要な睡眠時間も一定ではない。睡眠時間が3時間の

  ナポレオンは、寝る時間を削って仕事をする努力家だったわけではなく、その程度の睡眠で十分な体質だったということだ。「1日に7〜8時間」などと言う「常識」に

  捉われる必要は全くないのである。むしろ睡眠で大切なのは、全体の時間よりも、最初に深い眠りが得られるかどうかである。最初に深く眠ることができれば、それから

  4時間寝ようが10時間寝ようが、翌日の体調は余り変わらない。また、前日が睡眠不足なら、翌日の夜は最初から深く眠れるようになる。人間の体はそうやって調節

  しながら必要な睡眠を得るようになっているから、眠れなかったからと言って気に病むことはないのである。

  ▲腰痛・肩凝りにはたっぷりのビタミン

  腰痛は、人間にとってある意味で宿命的な悩みである。人間以外の動物に、腰痛と言う症状はない。というのも、人間だけが2足歩行をする生き物だからだ。4本の

  脚で体を支えるのとは違い、直立歩行は腰に大きな負担がかかる。両手が自由になったお陰で人間は道具を使い、文明を発達させてきた。腰痛はその代償の様な

  ものである。その為、腰痛は若い人にも起こる。特に若い人の場合、怖いのはぎっくり腰だろう。腰を支えている椎骨(ついこつ)は、椎間板というクッションを間に挟んだ形で

  つながっており、それがずれないように筋肉で支えられている。その筋肉の力を超える負荷がかかった時に、椎骨がずれてぎっくり腰になるわけで、つまり、若い人

  の腰痛は骨の問題というより、筋肉の問題なのである。従って、たいていの場合は、ぎっくり腰になってしばらく寝ているうちに筋肉が回復して自然に治ってしまう。

  治りが遅かったり、何度も再発する場合は、筋肉を強くすることが必要となる。その為に欠かせないのは、まず蛋白質とビタミンEである。更に筋肉の伸縮をスムーズに

  する為には、レシチンも十分に摂取したがいい。それに加えてビタミンB群を摂るように心掛け、腰に負担のかからないような姿勢を取るようにしていれば、若い人の

  ぎっくり腰は殆ど治るはずである。一方、中高年を過ぎてからの腰痛は、筋肉が弱ってくるのに加えて、骨そのものの変形が原因となっている。何十年も使ってきた

  椎間板が擦り減って、クッションが効かなくなる為である。特に女性の場合、腰痛は骨が脆くなる骨粗しょう症の始まりとも言われているから、「たかが腰痛」と軽く

  考えることはできない。従って、中高年の場合は、筋肉を強くするだけでなく、擦り減った椎間板を再生してやる必要がある。もっとも、栄養面での対策は若い人とそう

  変わらない。求められる材料は、やはり蛋白質とビタミンである。腰痛と並んで、肩凝りも人間ならではの悩みと言っていいだろう。人間の頭部は体重のほぼ10%という

  重さがあり、しかもそれが動物と違って肩の上に真っすぐ載っている。その重量を支えながら、更に腕を使って作業をするわけだから、首や肩の筋肉に大きな負担が

  かかるのは避けられない。肩関節は、靭帯や筋肉で支えられ、関節包で包まれて保護されている。だが、腕と言う重りをぶら下げながら、手として機能を果たす為に、

  肩関節は人間が目覚めている間じゅう酷使されている。直立歩行によって生じた不安定な構造に耐えながら、手を使うにはエネルギーが必要である。そして、それに

  よって、活性酸素の発生が続くことになる。活性酸素は、筋肉を固く縮ませ、関節包を癒着させてしまう。筋肉が固くなると、エネルギー作りの副産物として乳酸が、筋肉

  の内部に溜まるようになる。乳酸は疲労物質と呼ばれるもので、ビタミンB1やB2が不足すると蓄積され、肩凝りを感じさせるのだ。マッサージをすると肩凝りが和らぐ

  のは、この乳酸が追い出され、固く縮こまった筋肉を緩めるからである。肩凝りに悩まされるている人は、日常的にビタミンB1やB2やスカベンジャーを摂取して、筋肉を

  柔らかく保つように心掛けてほしい。