知りたかった食品成分の機能とエビデンス

                                植物ステロール

  コレステロールはよく聞くが、植物ステロールとは何のことでしょうか?非常に似かよった名前ですが、その働きは正反対のようです。現在、トクホや医薬品として利用されています。

  植物ステロールはフィトステロールとも呼ばれ、β-シトステロール、スチグマステロール、カンぺステロールなどがあり遊離体や脂肪酸エステル体などとして存在しています。

  動物ステロールの代表がコレステロールで、植物ステロールの代表が上記3つです。植物ステロールは当然、植物性食品に多く含まれていて、特に種子に多い成分と言えます。

  総植物ステロールのうち約50〜90%がβ-シトステロールで、次いでスチグマステロール、カンぺステロールが多く含まれています。

     食品中の植物ステロール含量

 食品名       (可食部100g当たり)

植物ステロール(r/100g)

組成(%)

β-シトステロール

スチグマステロール

カンぺステロール

トウモロコシ

170

70

11

19

大豆

160

60

25

15

枝豆

50

60

22

18

ブロッコリー

40

80

-

20

オリーブ

35

97

-

3

  植物ステロールを多く含む食品は食用油の原材料になっているものがたくさんあります。以前から植物ステロールは邪魔物(不けん化物)とし、食用油からは取り除かれていた。

  何故なら、植物ステロールはコレステロールの吸収を阻害すると言われているので。コレステロールは大部分が遊離体として存在するが、10%程度は脂肪酸エステル

  として存在し、コレステロールエステル自身は遊離コレステロールの腸での吸収を阻害しますが、コレステロールエステラーゼにより加水分解されると阻害作用もなく、それ自身も

  吸収されます。小腸の吸収上皮細胞の表面には腸管内空と分離された水の層があり、その為、脂質の吸収には脂肪酸、モノグリセりド、リン脂質、コレステロールが胆汁酸の

  ミセルを形成し、この水層を拡散し吸収上皮細胞の刷子緑膜から吸収されたり、排泄されたりします。植物ステロールはこのミセル構造に影響し、小腸内腔内に植物ステロールが

  存在すると、ミセルにコレステロールが取り込まれるのを阻害します。このため、コレステロールの吸収量が低下すると考えられます。動物実験では排泄量が増加することが

  示されているが、人での効果も、基本的に1日当たり総植物ステロールで800mg程度、2週間〜1か月程の摂取で、血中総コレステロール値やLDL-コレステロールが10%程度

  減少するようです。ちなみに、通常我々のコレステロール摂取量は300mg/日です。通常の食生活で機能性を発揮できる程の量を摂取するのは難しく、トクホで摂取することになる。

  現在、関与成分として植物ステロールが挙げられるトクホは、食用油、マヨネーズ、マーガリンなどです。米国医局のデータベースでもβ-シトステロールの血中コレステロール値

  を低下させるに有効とされている。妊娠や授乳中の女性は控えるべきとされ、医薬品との相互作用は未定なので医師・薬剤師に相談するようにとのことです。